熱帯魚・水草・昆虫 飼育データあれこれ

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スレッドフィンパラダイス ③          ~普通に飼えて 驚く~

体長: 最大10cm
餌: 冷凍赤虫、クリルグラニュール
飼育水: 26℃程度で中性付近の淡水
価格: 10,000円~

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 ついに餌付きましたねー ミニキャット。 なんとかなるだろうとは思っていましたが、結構ペッペッ って感じで強めの拒否を示してましたんで、大丈夫かなぁという一抹の不安もありました。 この魚スレッドフィンパラダイスの餌取りの方法は、ヒレセンサーの触感と臭いで 餌の可能性を感じた物体は瞬時に口に入れ、その後 餌であればモグモグ ゴクン、餌でないと判断したら吐き出す というものです。 よってベアタンクに沈下性の餌を投入すれば、かなり高い確率で口には入れてくれます。 このへんも餌付けしやすいと予想する一因でしたね。

 

 「クリルグラニュールに餌付いているなら それでいいのでは?」と思われるかも知れませんが、ちょっとね。 餌について少しお話しますが、私は基本 熱帯魚は人工飼料をメインの餌に使いたいと以前の記事に書きました。 経済的にも栄養的にも優れていて手間がかからないんだから まあ当然でしょうか。 しかし錦鯉のように水面に投げ込んだ餌をパクパクと食べてくれる魚ばかりならいいのですが、熱帯魚はそうもいきません。 野性味の強い魚は、お気に入りの餌以外は 餓死するまで食べないことも珍しくないでしょう。 買ってきた熱帯魚を水槽に入れ ワクワクしながらの初めての給餌で、餌に見向きもしてくれなかった時のガッカリと不安は 嫌なものですよね。 私も一時期「もうケンカする魚と 餌食べない魚は飼わない!」などと思ったことがありました。 

 

 そんなこんながあっての熱帯魚キャリアで、辿り着いた餌のひとつがクリルグラニュールなのです。 最近はどこのショップでも見ることのできる商品ですが、ご存知ない方に 少しご説明しますと、この餌は“フグが食べる人工飼料”という噂が始まりだったように思います。 メーカーはJUNという この業界の新興企業です。 アクアリストが求める商品を業界に先駆けて開発するなんてすごい会社ですね。 ネットや口コミで広まる中で、試したユーザーのほとんどが その嗜好性の高さに感激し、これはすごいってことで次第に知られる存在となっていきました。 なぜ人工飼料を食べない魚がこの餌だけは食べるのか?という点については もちろん企業秘密だと思いますが、私なりに思うところでは、嗜好性(とにかく食べさせること)に特化した商品だということです。

 

 通常、人工飼料は 魚粉や穀物など粉末状の安価な主原料に、熱帯魚が健康に育つために必要な栄養素等を必要量添加して作られます。 こうして出来る人工飼料を熱帯魚が拒絶する原因は大きく2つあり、1つは主原料の中の安価な量増し成分を嫌がるパターン。(同じ魚用の人工飼料でも、食いが悪いのは 小麦粉の割合が多かったりとか ありますよね) もう1つは添加物の臭いです。 人工飼料はほぼ必ずビタミンとミネラルが添加されるのですが、これらの中に特有の臭いがあり、それを嫌がる魚が多いようなのです。 その点クリルグラニュールは、クリルの中の嗜好性が強い部位のみを集めて砕いて固めただけ に近いものなのだそうで、(メーカー説明とショップ店員談)だとすると上記2つの難点を持たないことになります。 嗜好性に特化した人工飼料というのは、まあそういう訳です。 ゆえに私はこの餌を 生餌から人工飼料に餌付かせる過程の“つなぎ”として大変重宝しています。